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車の知識

電気自動車(EV)とはどんな車?電気自動車の弱点は

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電気自動車は、その名の通り電気で走る車です。
電気自動車の略称は多くのメーカーでEVとされています。EVはElectric Vehicleの略です。

電気自動車の仕組み

電気自動車は、電気を動力にモーターを回転させて、発生したエネルギーにより車を動かす仕組みとなっています。燃料にガソリン等は一切使わないため、走行中も炭素などの環境に影響を及ぼす排気ガスを出すことはありません。

電気自動車は電動モーターで動く

電気自動車はエンジンが搭載されておらず、ガソリンなどの燃料を不要とする代わりに、大容量の電力を溜めるバッテリーと電動モーターを搭載しています。大容量バッテリーに電力を溜める方法は、基本的には外部からの充電によるものです。そのため、電気自動車は充電スポットを自宅に設置すれば帰宅すると同時に充電を開始することができ、ガソリン車のようにガソリンスタンドまで給油にいく必要がありません。自宅で充電するとかかる電気代金は、ご家庭ごとの電気会社との契約プランにもよりますが、単価の安い夜間電力の利用でランニングコストを抑え、ガソリン車よりもコストを抑えて稼働することも可能です。

電気自動車の電力消費率はお得なのか

電気自動車は燃料ではなく電気で動くため、燃費の代わりに電費という表現を使います。
ガソリン車は燃料消費率として、1Lで何キロ走行できるか計測した数値がカタログに掲載されますが、電気自動車の場合は電気消費率として、1kWhで何キロ走行できるかの計測になります。また、電気自動車のカタログには、搭載するバッテリーは満充電でどのくらい継続走行できるのかの一充電走行距離と、1kmの走行には何Whかかるのか交流電力消費率の記載が一般的です。

国産電気自動車で人気の高い日産のリーフ(60kWhバッテリー搭載モデル)は、一充電による航続距離が450km、1kmの交流電力消費率は161Whです。カタログ値から見る100km走行時の交流電力消費率は、16.1kWhとなり、1kWh単価を31円とすると100km走行に必要な電気料金は約500円となります。2023年1月時点のレギュラーガソリン料金は約163円/Lですので、ガソリン車の日産ノートの燃料消費率28.4km/Lで計算すると、100km走行に必要な燃料消費は約3.6Lとなり、該当分のガソリン料金は約587円となります。あくまでもカタログ値や時期的な燃料価格、電気価格はあるものの、ガソリン車に比べると電気自動車のコストパフォーマンスが高いことがわかります。

電気自動車もガソリン車と同様に、車種や走行速度、エアコン使用の有無で電気消費率は異なりますが、自宅に太陽光発電可能な設備があれば、更に電費を抑えることも可能でしょう。

※Wh(ワットアワー)は、1Wの電力を一時間使った時の電力量のことです。1000Whが1kWhとなります。

電気自動車の弱点とは

前述のとおり優れたコストパフォーマンスを持ち、環境にも優しい電気自動車ですが、幾つかの弱点もあります。

充電に時間を要する

まず第一に、ガソリンスタンドで給油すれば2~3分で満タンになり、すぐに走行可能なガソリン車やハイブリッド車に比べると、充電は非常に時間がかかります
通常の家庭用電源(100V)で8~10時間、200Vの家庭用電源で4~5時間程度は必要で、大型施設などにある急速充電を用いても80%までの充電に30分必要です。

充電スポットの数が少ない

充電に時間がかかることに加え、ガソリンスタンドの給油機と比べると設置された充電設備が少ないことも問題です。ガソリンスタンドは日本全国に2.9万箇所以上ありますが、充電スポットは全国約2.1万箇所となっています。近年増加傾向の充電スポットは決して少なくはないものの、給油機は複数ある場合がほとんどですが、充電器は1つや2つ程度しか設置していない場合も多く、充電に時間がかかるため回転率が悪くなります。

長距離移動には前もって準備が必要

次に、電気自動車は、長距離走行時には前もって準備が必要となるという弱点があります。
大容量のバッテリーを搭載していると言っても、日産・リーフは満充電で450km(60kWh駆動用バッテリー)、322km(40kWh駆動用バッテリー)が一充電走行距離となり、走行できる距離には限界があります。また、夏季冬季のドライブではエアコンをつけると更に消費電力が増えるので、実質的な走行距離はメーカー公称値の半分程度になることもあります。

近所の買い物などの日常利用であれば、毎晩充電すれば特に問題ないかと思います。しかし外出先、旅先など長距離移動する際は、充電スポットに長時間車をおいて置けない可能性もあります。

そのため遠方へとドライブして外出をする場合は、前もって外出先付近の充電スポットの位置や、もしも旅行等で泊まるのであれば、宿泊施設近くや施設内に充電スポットがあるのか、駐車時に利用ができるのかなど確認し、準備しておかなくてはいけません。もしも充電スポットの利用が難しい場合は、急速充電が可能な充電スポットの位置を確認し、多少の時間をかけて充電をする必要があります。

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電気自動車のまとめ

電気自動車は、バッテリーに溜めた電力でモーターを回転させて動力とする仕組みをもっているため、ガソリン等の燃料を不要とする、環境に優しい自動車です。

ガソリン車と比べるとコストパフォーマンスが高く、炭素を排出しないことから環境にも優しいエコカーとして、注目されています。現在販売中の電気自動車で有名な車種としては、日産の軽電気自動車サクラやリーフ、テスラ社のモデル3などがあります。電気自動車はまだまだ充電スポットの充実性が低いといわれていますが、一充電走行距離も最新モデルでは伸びてきており、市販の軽電気自動車も発売を開始したことから供給率があがっています。地域や、自宅が戸建てか集合住宅かなどによっても所有のしやすさはありますが、車の乗り換えを考える方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。