ゲリラ豪雨や台風などの豪雨災害で道路や駐車場が冠水すると、その場所に保管していたり、その道路を走行している車が水没してしまう可能性があります。
このような豪雨災害により、道路が冠水した時や、車が水没してしまった時に、どのような対処をすればいいのかご存知でしょうか。
車が水没したときの対処方法
車で走行中にゲリラ豪雨に遭ってしまった時、冠水した道路を走行することになったら、どのように対処すればいいのでしょうか。
また、冠水などによって水没した車内に取り残されてしまった時は、どのように車内から脱出を試みればいいのでしょうか、こちらで解説します。
冠水した道路を走行する場合の注意点
車で走行中、突然のゲリラ豪雨で河川が増水したり、上下水道菅から水があふれてしまうなどの冠水被害に巻き込まれる可能性があります。このように冠水した道路を走行する時の注意点がいくつかあります。
まず、冠水した道路を走行すると、走行している車のエンジンルームに水が浸入し、急にエンジンが停止したり、そのときは何もなくても車内に入った水により、後々不具合が出てくることがあります。
このような車の故障を避けるために、できるだけ冠水した道路を避けて走行し、水が引くまで待ちましょう。運転席の視界から見えている部分が大丈夫だからと言って、先の状態がわからない場合は車を無理に進めず、大事を取って引き返すことも肝心です。
自動車には精密機器がたくさん搭載されています。タイヤの下側が水に浸かる程度なら殆ど問題はありませんが、マフラーの排気口やバンパーの下面あたりまで浸水してしまうと、何らかの影響が出ると言われています。水深が浅い場合でも、跳ねた水がエンジンルームなどに入り込んでしまうとエンジンの故障原因になることもあります。跳ねる水に注意するには、できるだけ速度を落とすこともポイントです。
天気予報等ですでに大雨の注意報や警報が出ているときは、車の保管場所を高台へ移動したり、外出を控えるなど、浸水を避ける公道をとるようにしましょう。
水没した車からの脱出方法
豪雨などで河川や用水の水位が急に上がると、道路との境目がわからなくなり、運転を誤って水没してしまう可能性があります。増水した河川や冠水道路で車内に閉じ込められた時は、あわててしまい、すぐに脱出しなければと焦ってしまうと思いますが、できる限り落ち着いて行動しましょう。
エンジンが前にある車は、重量が前側にあるため前側から沈んでいきます。このような時は、前席の人はリクライニングシートを倒して後ろ側に移動し、脱出を試みます。まず、シートベルトを外し、ドアからの脱出ができないかやってみましょう。外からの水圧がかかると、水位が上がるほど開けにくくなります。
ドアが開かない場合は、窓を開けて脱出します。電気系統の故障により窓が開かない場合は、緊急脱出用ハンマーで窓ガラスを割って脱出します。フロントガラスは割れにくいので、横か後ろのサイドガラスを割りましょう。脱出用ハンマーは、ディーラーオプションで取り付けられたり、カー用品店等で購入することが可能です。
ハンマーを常備しておらず、窓ガラスを割ることができない場合は、車の中に水が入り込んで外の水位との差が少なくなったときを狙って開けるようにします。車内と車外の水位が近くなると、ドアにかかる水圧も小さくなるため、ドアを開きやすくなります。落ち着いて脱出のタイミングをはかりましょう。
実際に水没した後でどうやって脱出するか調べているのでは手遅れになってしまう可能性が高く、それとは逆に、事前に知っていれば冷静に対処することができる可能性が上がりますので、平常時から知っておくべきでしょう。
現時点で脱出用のハンマーを常備していないという方は、車内に常備できるよう今から購入を検討されておくことをおすすめします。緊急脱出用ハンマーには、窓ガラスを割るだけでなく、緊急時にシートベルトを切断することができるシートベルトカッターがついているものもあります。価格帯は1,500円~2,500円前後のものが多く、女性や高齢者など力がなくても、窓を割ることができるタイプもあります。
災害で使用できなくなった際の車の処分について
災害で使用できなくなった車の処分はどのようにすればいいのでしょうか。車体が水没被害に遭うと、故障や損傷によって不動車になってしまうことも少なくありません。
水没車や冠水車となると、エンジンルームの故障はなかったとしても、車内に汚水等による匂いや汚れが残ってしまうことで乗り続けることができなくなることもあります。
このような状態になってしまった車は、廃車手続きを行って車本体は解体し、廃車処分を行うことになります。
災害時の廃車手続きの種類
廃車の手続きには一時的に使用をとめる一時抹消登録(普通自動車の場合)・自動車検査証返納(軽自動車の場合)と、完全に登録を抹消する永久抹消登録(普通自動車の場合)・解体返納(軽自動車の場合)があります。
災害で被災した車の原状回復が難しい場合、廃車処分をすることになります。廃車をするには、車両を解体し、運輸支局または軽自動車検査協会にて永久抹消登録手続きを行います。
また、災害により車本体が紛失してしまった場合は、その後車両が見つかったとしても再び使用することは困難な場合がほとんどです。災害で車本体を失っている時は、完全に登録を消す永久抹消登録(普通自動車の場合)・解体返納(軽自動車の場合)の手続きを行い、自動車税や自動車保険の支払いを止めましょう。
通常の永久抹消登録(廃車)手続きには、車のナンバープレート前後2枚を返納する必要がありますが、車が手元に無い場合には解体処理やナンバープレートの返却ができないので、以下の書類を用意し廃車手続きを行います。
普通自動車の場合:理由書、被災証明書 軽自動車の場合:車両番号標未処分理由書、被災証明書
理由書もしくは車両番号標未処分理由書は、ナンバープレートがないことを説明するための書類で、廃車手続きを行う運輸支局・軽自動車検査協会の窓口で入手できます。被災証明書は災害により被害を受けたことを証明するための書類で、管轄の市区町村の役所で発行してもらいます。
被災証明書について
被災証明書は、被害を受けた車の保管場所を管轄している市区町村の役所に申請を行い、発行してもらいます。自治体によっては消防署で発行しているところもあります。被災証明書の発行を申請するには以下の書類が必要です。
被災証明交付申請書、被害の状況を確認できる写真、本人確認書類、委任状(代理人が手続きを行う場合のみ)
被災証明交付申請書は、手続きをする役所もしくは各市区町村のHPでダウンロードできます。発行に必要な費用は自治体によって異なりますが、無料または数百円程度です。発行期限が決まっている場合もあります(災害発生日から6ヶ月以内など)。市区町村により必要な書類や、手続き手順が異なる場合があります。詳細は管轄の市区町村の役所にお問い合わせください。
まとめ
豪雨災害などで冠水や水没してしまった車は、車の内部が錆びたり電気系統が故障して動かない可能性が高いため、修理や廃車を検討した方が良いでしょう。災害とそれによる損害のショックで頭が回らなくなるかと思いますが、少しでも無駄な出費を抑えるため、できるだけ早くに廃車の手続きをすすめることをおすすめします。
また、水没車や冠水車でエンジンルームが浸水している可能性がある場合、エンジンを掛けようとして故障してしまったりショートすることで火災が起こることがあるため、エンジンを掛けずに車を移動させなくてはいけない場合が多くなります。タイヤは転がる状態であったとしても、走行できないことがほとんどですので、廃車のためにレッカー車など車を積載して移動する手段を準備しなくてはいけません。車の輸送をするレッカー会社は、距離や状態によって高額なレッカー費用がかかることもあります。
豪雨災害の被害を受けて、廃車をするのにも費用がかかるのではと不安に感じる方も多いと思いますが、廃車無料.comでは廃車の引取費用・手続き費用すべて無料で、全国で廃車依頼を承っています。廃車にお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。