一時抹消登録は車の使用を一時的に中止する時に行う廃車手続きのことです。長期出張や入院等で一定期間車を使用する機会がない時、使用機会がない車の譲渡相手を探すまでの期間等に行います。車は保管し登録のみ抹消するため、再登録すると車を再度使用することができます。
一時抹消登録の必要書類
一時抹消登録をするために必要な書類をこちらでご紹介します。こちらでご紹介する書類は、車の所有者本人が運輸支局に出向き一時抹消登録を申請することを前提に準備するものです。
一時抹消登録の必要書類一覧表
名称 | 備考 |
---|---|
自動車検査証(車検証) | 車検の有効期限内・車検切れを問わず原本が必要 従来のA4サイズ車検証または、2023年1月から交付開始のA6サイズの電子車検証も可能 |
印鑑登録証明書 | 所有者の印鑑登録証明書を取得 発行より3か月以内のもの |
実印 | 印鑑登録されている実印 |
ナンバープレート(自動車登録番号標) | 前後2枚必要 |
一時抹消登録申請書 | 様式はOCR申請書第3号様式の2 運輸支局窓口で取得または国土交通省のウェブサイトよりダウンロード可能 |
手数料納付書 | 運輸支局窓口で取得 窓口で所定の手数料分印紙を購入し貼付 |
事業用自動車等連絡書 | ※自動車運送事業等の用に供する商用車(緑地のナンバープレート)の場合に限り必要 運輸支局窓口で取得または各地方運輸支局のウェブサイトよりダウンロード可能 |
一時抹消登録の追加書類
上記の必要書類の他に、条件次第で追加書類が必要となります。
ナンバープレートを盗難または遺失している場合
ナンバープレートが盗難または遺失等により返納できない場合は、返納できないことを記入した理由書(所有者もしくは使用者の記名が必要)を追加で準備します。また、盗難の場合は、事前に盗難された場所を管轄する警察署に盗難被害届を提出します。理由書には、被害届を提出した警察署、被害届の受理番号、被害届を出した日付を記入します。
所有者が亡くなり相続人が手続きをする場合
所有者が亡くなり相続人が一時抹消登録をする場合は、所有者が亡くなっていることを証明する除籍謄本(抄本)、所有者と相続人との相続関係を証明する戸籍全部事項証明書、または法定相続情報一覧図の写しが追加で必要になります。また、所有者の印鑑証明書ではなく、代表相続人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)が必要です。
所有者の車検証住所と現住所が異なる場合
車検証記載の登録住所と現住所が転居等により変更になっている場合は、一時抹消と変更内容の登録を同時に申請する転入抹消登録ができます。転入抹消には、所有者の住所地の転居歴が証明できる書類(住民票等)が必要になります。通常の変更登録とは異なり、廃車手続きを同時に行うため、車の保管場所の車庫証明等の提出は省かれます。
一時抹消登録の手続きの流れ
一時抹消登録をする時の準備から完了までの「5ステップ」を、段階ごとに詳しく解説します。ご自身で一時抹消登録をすると、完了までにかかる期間は約1週間となっています。
必要な書類の準備、運輸支局の場所を調べる
運輸支局でナンバープレートを返却
運輸支局で手数料分の印紙を購入
運輸支局の窓口へ必要書類一式を提出
自動車税の還付を申請する※還付がある方のみ
必要な書類の準備
まず、一時抹消登録に必要な書類を揃えます。車の購入後に転居や婚姻などがあり、車検証情報に変更があったものの内容の登録変更ができていない場合、登録内容と現在の状況との変更の履歴がわかる書類を揃える必要があります。印鑑証明書など行政機関で取得する書類は同日に取得できるように、事前にリストアップしておくことをおすすめします。
運輸支局でナンバープレートを返却
当日運輸支局に到着したら、まずは運輸支局の窓口で必要書類を取得します。下記の書類はすべて無料で配布されています。
- 一時抹消登録申請書(OCR申請書第3号様式の2)
- 手数料納付書
次に、車のナンバープレート前後2枚を運輸支局場内の返納窓口にて返却します。
普通自動車のナンバープレートは、一か所封印でとめられています。封印の取り外しはマイナスドライバー等があると楽でしょう。車から取り外したナンバープレートを持参し、窓口で返納が完了すると、手数料納付書に返納確認印が押印されます(返納シールが貼られる地方運輸局もあります)。
運輸支局で手数料分の印紙を購入
一時抹消登録は、永久抹消登録とは異なり登録手数料がかかります。登録手数料分の手数料印紙を窓口で購入し手数料納付書に貼付けをするか、キャッシュレスで購入し手数料納付書にその旨を記載する必要があります。
一時抹消登録にかかる登録手数料一覧表
名称 | 手数料金額 | 内容 |
---|---|---|
一時抹消登録 | 350円 | 一時抹消登録のみの手数料 |
移転抹消登録 | 850円 | 所有者の名義変更と一時抹消登録の手数料 |
変更抹消登録 | 700円 | 所有者の氏名・住所の変更登録と一時抹消登録の手数料 |
運輸支局の窓口へ必要書類一式を提出
運輸支局で必要書類を揃えて記載台で内容を記入し、ナンバープレート返納後確認印をもらい、手数料分の印紙を貼付ける所まで進めることができたら、窓口に必要書類を提出します。必要書類の不足がないか、記入間違いがないか等確認を受けます。抹消登録申請が受理されると、登録識別情報等通知書(一時抹消証明書)が交付されて、手続きは完了です。
自動車税の還付を申請する※還付がある方のみ
一時抹消登録の手続きを完了すると、自動車税種別割の還付金を受け取ることができます。還付金額は、4月から翌3月までの年税を月割り計算し、手続き完了翌月から年度末までの月数を掛けた金額となります。還付申請の方法は、運輸支局場内の自動車税事務所の税申告窓口で自動車税申告書を提出します。自動車税の還付は、申請した日の1〜2ヶ月後に還付通知書が郵送で届きます。還付通知書が届き次第、指定の金融機関で還付金額を受け取ります。
一時抹消登録の手続きにかかる費用
一時抹消登録は登録情報のみ抹消する手続きのため、永久抹消登録のように解体をする必要も車を移動させるレッカーも必要ありません。自分で手続きをするのであれば、運輸支局での登録手数料と行政機関での書類取得手数料のみで完了することができます。しかし、自分で手続きをするのではなく、行政書士等の代行業者に手続きを依頼した場合は、代行費用がかかります。
一時抹消登録の手続きにかかる費用相場と内訳
書類取得手数料 | 300 円~ 0.1 万円 |
---|---|
登録手続き手数料 | 350 円~ 850 円 |
行政書士の代行手数料 | 1 万円~ 2 万円 |
合計 | 1.1 万円~ 2.2 万円 |
※数値は2023/11/17時点のおおよその費用相場
一時抹消登録にかかる費用のメリットデメリット
一時抹消登録は、必要な書類を揃えて運輸支局で手続きを申請するといった一連の流れを全て自身でするのであれば、費用をかなり抑えることができます。しかし、手続きに必要な書類を揃えて申請するには平日の夕方までに時間を取る必要があり、申請日当日仕事を休む必要があるなどデメリットを感じる方もいます。その点、代行業者に依頼をすると運輸支局での手続きや書類記入などは任せることができるため、費用はかかるものの負担が減るというメリットがあります。
一時抹消登録のQ&A
一時抹消登録の手続きに関するよくあるご質問にお答えします。
一時抹消登録の必要書類はすべて原本が必要ですか?
一時抹消登録に必要な書類の自動車検査証や印鑑登録証明書、住所地の転居があったことを証明する住民票等は、すべて原本が必要です。複製(コピー)を提出しても受理されませんので、原本を用意しましょう。
水没により車検証が読めません。一時抹消登録はできますか?
車検証が汚損により読めなくなってしまった時は、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局で車検証再交付申請を行い一時抹消登録することができます。再交付の申請手数料は350円です。また、廃車無料.comでは水没してしまい車検証が汚損して読めない車も、廃車費用無料で廃車買取を承っています。お気軽にお問い合わせください。
一時抹消登録を年度末にしました。自動車税の還付はありますか?
自動車税の還付は、一時抹消登録を申請し完了した月の翌月から年度末の3月までの月数分が、月割り計算をされて還付されます。年度末の3月に一時抹消登録をした場合は、残り月数が一月まで満たないため還付はありません。ただ、年度末までに一時抹消登録をしておくことで翌年度の自動車税の課税は発生いたしません。
まとめ
車の使用機会がなくなるため、一時抹消登録の手続きをするか車を手放すか悩まれている方は、廃車無料.comまでご相談ください。廃車無料.comなら廃車見積りの費用も無料です。一時抹消登録は車の保管が必要になるため、駐車場代金等の維持費が心配という方は、一度車を手放すという選択肢もあります。
廃車無料.comは一時抹消登録の手続き無料です