車は生活に欠かせない足として必要という方も少なくありません。一台の車を所有するには、どのようなお金がかかるかご存知でしょうか。
こちらでは、車の維持費とはどんなものがあるのか、車の維持費を削減するためのお得な節約術をご紹介します。
車にかかる年間維持費とは
車にかかる維持費の支払いタイミングはまとめて支払いではなく、ほとんどがその都度の都度払いです。そのため、累計で年間にいくら位の維持費がかかっているのか、ご存じない方も多いでしょう。こちらでは車の維持費の内訳についてご紹介します。車を所有するには、どのような項目に年間でいくら程度かかっているのか、参考にご覧ください。
車の維持にかかる費用の内訳
車には具体的に、燃料費・税金・保険料・メンテナンス費用・駐車料金がかかってきます。もちろん車種や車の使い方・車の使用する地域によって差がでてきます。
ヤリスハイブリッドにかかる一年間の維持費
例として『トヨタ・ヤリスハイブリッド』の年間の維持費をご紹介します。2022年乗用車販売台数で首位に輝いたヤリスの人気グレードハイブリッドZで算出します。
R4年式のヤリスハイブリッド1.5L、Zグレード2WD(カタログ値燃料消費率35.4km/L)の一年間の維持費を、普通乗用車の年間走行距離の平均とされる10,000kmを想定し、算出しました。
燃料費は、総務省統計局小売物価統計調査による自動車ガソリン都市別小売価格2023年5月の平均価格168円/Lから換算します。駐車料金は、同じく統計調査による全国月極駐車料2023年4月の平均料金10,281円で換算しました。
内訳 | 費用 |
---|---|
燃料費(レギュラーガソリン) | 約48,000円 |
自動車税種別割(グリーン化特例非対象) | 30,500円 |
自動車重量税(エコカー減税対象) | 0円 |
保険料(自賠責保険料12ヶ月分) | 11,500円 |
メンテナンス費用(12カ月点検費用の平均) | 15,000円 |
駐車料金(全国平均) | 約124,000円 |
合計 | 約229,000円 |
表で見ると、一年間で約23万円がかかるという維持費の想定になりました。今回のヤリスハイブリッドについては、トヨタのハイブリッドシステムによって内燃機関とモーターによるエンジンの高効率がすすめられているため、燃料消費率のパフォーマンスが高く燃料費はかなり抑えることができています。
このように燃費が良い車を選ぶなど、維持費を抑える方法はいくつかあります。次項では車の維持費をできるだけ抑えるための維持費節約術をご紹介します。
車の維持費をできるだけ抑えたい!7つの節約術
生活の足として欠かせない車、毎年の車の維持費に悩まされている方は多いのではないでしょうか。こちらでは、車の維持費を抑えるための節約術を7つご紹介します。
車を所有している方も、これから購入予定の方も参考にご覧ください。
自動車保険で節約する
自動車保険のうち、加入が法律により義務付けられている自賠責保険については固定費用のため低減することはできません。しかし、加入が任意となる車両保険については節約できる可能性があります。
ただ「任意保険を契約しない」というのは、あまりおすすめできません。重大な交通事故を起こしてしまったり巻き込まれてしまった場合、自賠責保険は対人補償のみとなっており、ご自身に対する補償や車両に対する補償は一切されない保険となっています。自賠責保険は事故が起こった時の被害者救済を目的とする補償となりますので、足りない部分の補償や、補償の限度額もあるため必要となるでしょう。
任意保険で節約するには、もし現在すでに任意保険に加入されているならば、内容の見直しをしてみましょう。任意保険は主に、相手への賠償責任保険・ご自身の傷害保険・事故による車両補償保険といった3種類の補償で構成されています。その3種類の補償は、対人賠償・対物賠償・人身傷害賠償・搭乗者傷害賠償・自損物損賠償・相手側無保険車賠償保険という7つの種類にさらに分かれますので、ご自身の車の利用状況に合わせて必要な条件を選択し契約をするようにしましょう。補償の限度額や、人身傷害の補償対象人数等を変更するなどでも、保険額は大きく変わります。
また、自賠責保険については加入する保険会社や共済保険、どの会社を選んだとしても保険会社側に利益が発生しない仕組みとなっているため保険料は変わりません。しかし、任意保険は保険会社によってプランの組み方や、保険会社のキャンペーンを利用する等で保険料が変わります。保険会社同士でも競争があるため、複数社での相見積をとることも有効です。保険料を節約できた暁には、低減効果も大きく、条件の見直しや相見積もりをしただけで年間で2万円程度変わってくることも珍しくありません。
車検費用で節約する
車を所有し運行するには、その車が定期的な車検を受けて合格しなければいけません。車検を受けるにはいくつか方法がありますが、その中でも自分で車検手続きを進める「ユーザー車検」を選択すれば、車検費用を法定費用のみで抑えることができるため確実に節約することができます。法定費用とは、自賠責保険料、検査手数料、自動車重量税といった車一台車検を受けるにあたり必ず支払いが必要な費用のことで、どの車検方法を選んだとしても発生します。
ただし、ユーザー車検には注意しなければならないポイントがあります。それは、交換すべきだったパーツなどを見逃してしまう可能性があるのです。ユーザー車検は、ご自身で車検場に車を持ち込み、点検コースで必要な点検項目のチェックを受けます。外観と内装の点検項目は、灯火装置・タイヤの状態・ガラスの損傷や透明度・内装の必要なパーツや取付が必要な用具の有無・メーター周りに故障等ないかどうか、です。また、自動車の機能や装置が問題なく動いているかどうかもチェックが入ります。ワイパーやウォッシャー液・ホーン・マフラー・ドライブシャフトブーツ・ステアリングラックブーツはチェックがあります。もしも劣化等で故障車や不良があれば交換が必要になります。しかし、エンジンの内部まで点検をするなどはないため、例えばタイミングベルトやイグニッションコイルといった内燃機関内の部品が劣化していて、そろそろ交換のタイミングだったとしても、車検での点検項目には当てはまらないのです。
ユーザー車検を行うと費用は抑えられますが、このように必要な内部の部品交換等までは目が届かないことがありますので、毎回ユーザー車検を行うのではなく、ディーラー車検や車検業者への依頼と交互に行うなど、適切にメンテナンスを行うことをおすすめします。
燃料費で節約する
節約すべき維持費として誰もが考えるのが、「ガソリン代」でしょう。燃料費については、その他にかかる維持費に比べて色々な方法での節約が可能な部分でもあります。
低燃費の車を購入する
前項の例であげたトヨタ・ヤリスハイブリッドのように、低燃費の車を選ぶことで燃料費は大きく節約が可能です。特に年間でみると、燃料消費率が良い車を選ぶかどうかでその差は歴然となります。
例として、トヨタ・ヤリスのハイブリッド車とガソリン車のZグレードで年間走行距離を10,000キロとして年間にかかる燃料費を算出すると以下の表のようになり、およそ30,000円の差額が発生しました。
ヤリス(1.5L 2WD) | Z(ハイブリッド) | Z(ガソリン) |
---|---|---|
燃料消費率 | 35.4km/L | 21.6km/L |
10,000キロ走行するのに必要な燃料 | 283L | 463L |
10,000キロ走行するのに必要な燃料費 | 約48,000円 | 約78,000円 |
車を購入する前や、買い替えを検討しているのであれば、安い中古車で燃費の高い車よりも、比較的新しい低燃費の車を選ぶべきでしょう。ハイブリッドカー、コンパクトカー、軽自動車などは燃費に優れています。また、ガソリン車のなかでもハイオク車を選ぶと、燃料の単価が高いので、よほどその車が欲しいのでなければ避けるべきでしょう。
利用するガソリンスタンド会社を固定する
利便性の高い所のガソリンスタンドで会員になって、割引を受けましょう。クレジットカードなどでポイントがつくこともあります。ガソリンスタンドのクレジットカードを持っていると、ガソリンの料金が毎回給油ごとに一定割引を受けることができたり、ロードサービスがついているというものもあります。クレジットカードの年会費も給油をすることで無料になるものもありますので、チェックしてみることをおすすめします。
安いガソリンスタンドを利用する
ガソリンスタンドは店舗によって燃料の単価が異なります。会員制ディスカウントストアや、プライベートブランドのガソリンスタンドは、大手系のガソリンスタンドに比べて1Lあたり1円~数円ほど価格が安いところがあります。ただ、安いからとあまり遠い所まで給油に行くと、その移動時間やその間に消費する燃料もありますので、近場のガソリンスタンドで比較すると良いでしょう。
セルフ給油する
ガソリンスタンドには、有人フルサービスのスタンドもあれば、入金してご自身で給油を行うセルフスタンドもあります。基本的にセルフスタンドの場合は人件費が削減されているため、ガソリン価格が一般の有人スタンドに比べると価格が抑えられています。セルフによる給油作業自体は慣れれば非常に簡単です。行動スペース範囲内にセルフスタンドがあるなら、利用されることをおすすめします。
アクセルを必要以上に踏まない&エンジンブレーキを利用する
車の運行中は、急加速や必要以上の加速、ブレーキを多用する、エンジンブレーキを使用しての減速を減らすようにしましょう。モーターやエンジンの回転数の効率が良くなるような運転を心掛けることで、燃料消費を少なくできて燃費の節約につながります。
例えば、既に前の信号が赤に変わっているのに車間を詰めるためにアクセルを踏むと、燃料は無駄に消費してしまいます。そういった場合はアクセルを離してエンジンブレーキで徐々に減速しながら車間を詰めていき、十分に車間が詰まってからブレーキを踏めば、無駄な燃料を消費せず走ることができます。
車を軽くする
コンパクトカーや軽自動車の燃料消費率が良いのは、車重が軽量化されていることで燃料使用量を少なく済ませることができるからです。車内に重い荷物を積んだまま走行すると車重が重くなり、アクセルを踏む量が増えるため燃費が悪化します。車上荒らし対策の観点からも、無駄な荷物はできるだけおかないようにすべきです。
高速代で節約する
通勤や仕事の関係、趣味などで遠方へ移動する機会が多い方は高速道路を利用することも多くなるでしょう。高速道路を普段からよく走行する方におすすめの節約方法は、ETCを利用するという方法です。車の購入時、ETCの車載器とカードを用意する必要があります。ETCカードを使用して高速道路を走行すると、高速代金から「平日朝夕割引」や「深夜割引」「休日割引」などを受けることが可能になり、割引率は約30~50%となります。また、現金支払いとは異なり、クレジットカードポイントが溜まったり、マイルが還元されるなどお得になっています。料金所でスムーズに進むことができるというメリットもあります。
駐車場代で節約する
第一の理想としては自宅にガレージがあれば駐車場代はかからず、費用面を心配することはありません。また賃貸マンションでも、元から駐車場代が賃料に含まれている場合もあります。
ただ、賃貸マンションについては入居者全員が駐車場を利用することは少なく、ほとんどが別途支払う必要があるケースです。お住まいのマンションに駐車場が設置されていて、駐車場代は別途支払いになっているのなら、マンションの駐車場代と近くの月極駐車場の利用料金を比較してみることをおすすめします。徒歩の距離が伸びてしまうので少し不便にはなりますが、料金の差額で天秤にかけてみてもいいでしょう。
ただ、駐車場代が安いところでは、地面がアスファルト舗装されていない駐車場もあります。未舗装の駐車場は、雨の時に泥跳ねで車が汚れたり、飛び石で車体に傷がついてしまう可能性がありますので、そのあたりは注意が必要になるでしょう。
また、駐車場代を節約したいからといって、公道で路上駐車するのは絶対にやめておきましょう。他人に迷惑をかけるのはもちろんのこと、警察に見つかると罰則を受けることになり、結果的に損をしてしまいます。
メンテナンス費用で節約する
車を長く良い状態で乗り続けるには、日ごろの点検やメンテナンスは欠かすことができません。メンテナンスにはどうしても費用がかかる部分がありますが、その費用を節約するにはいくつかの節約ポイントがあります。
洗車費用
車を綺麗に保つための洗車も、業者に頼むのは楽ですがそれなりの出費になります。自分で洗車した方がボディーに傷もつきにくく、細部まで綺麗にできるうえ、節約にもなります。もしも洗車機を使用するのであれば、洗車のサブスクを利用することで、定期的にお得に洗車ができる方法もありますので、チェックしてみてください。
消耗品の交換
エンジンオイルやタイヤなどの消耗品の交換は、安い店を探したり、ネットオークションで安く購入することで節約可能です。安全性に直結する部分ですので、節約のために交換しないことはおすすめしません。整備工場などは、持ち込みで交換を依頼すると費用が割高になることもあります。部品を持ち込みするか、整備店で部品の購入から交換まで任せるほうがお得かどうか前もって確認することをおすすめします。
ローンで節約する
車の購入費用は、理想を言えばローンせず一括支払いでしょう。しかし車一台あたりの金額は高額ですので、ローンを組んで購入する方は多くいらっしゃいます。車の購入時のローンをどこで組むのかは、相見積もりをとってみるなど、少しでも金利が低い所を選んで節約しましょう。銀行のマイカーローンなどは、金利は抑えられていますが、審査や書類の準備に時間がかかる場合があります。時間がかかることを前提に車の購入をすすめると、その後の支払い料金をできるだけ抑えることが可能になります。
まとめ
こちらでは、車を維持するためにかかる費用と、車の維持費を節約するための術をご紹介しました。車の維持費を節約することで家計に余裕が生まれ、貯蓄や今より良い暮らしが出来るでしょう。頑張って車の維持費を節約していきましょう!
また、どんな節約術よりも大切なのは安全運転でもあります。不意の事故や車のトラブル、交通違反の反則金など、突然支払うことになる出費は大きな損になります。また、事故の場合は保険料もあがってしまいますので、安全運転を心がけて将来的な節約につなげましょう。