自動車盗難件数は警察庁の統計資料によると、2022年の一年間で5,000件を超えていました。もしも愛車を盗難されてしまったら、どうすればいいのでしょうか。こちらでは、自動車の盗難対策やもしも盗難されてしまった時にしなくてはいけないことについて詳しく解説します。
愛車が盗難されてしまったらどうすべきか
もしも愛車が盗難被害にあってしまったら、車の所有者はどのような対応をするべきなのでしょうか。
自動車盗難被害にあってしまった時にすべきことの手順
まずは自動車盗難被害にあってしまった時に、所有者が対応しなくてはいけないことの流れについて、解説します。
1.警察署で盗難届を出す
まず交番に盗難届を出すことが大切です。車種や車のナンバー、車体は何色か、被害にあった日時、盗まれた場所、当時の状況などを落ち着いて伝えましょう。盗難届を出すことによってすぐに愛車が見つかるかもしれませんし、車が犯罪に使われても所有者が事件に巻き込まれることがありません。早急に盗難届を出しましょう。盗難届を提出した後は受理番号が交付されます。後ほど大切になりますので、大切に保管しておきましょう。盗難届は全国の警察署・交番で届けることができます。
盗難届を提出する時に必要なもの
・車の所有者の印鑑
・本人確認書類
・車検証(自動車検査証)
2.都道府県税事務所で課税保留を申立てる
警察に盗難被害届を出して受理されたら、次に、ご自身が自動車税を納付している都道府県税事務所へ向かい、自動車盗難により車体がないため課税保留の申立てを申請します。課税保留を申し立てするには警察署に前もって盗難被害届を提出している必要があるため、順番は大切です。課税保留の申立てをするには、当日申立書と申立人の身分確認書類を準備しておきます。申立てをする際、自動車の盗難日と盗難された場所、盗難被害届を警察に届け出した日、警察署の名前、盗難被害届受理番号、盗難された当日の自動車の状況を確認されますので、前もって控えておくと良いでしょう。
自動車税の課税保留申立てを出すことによって、盗難日の翌月から、自動車が発見され警察から返却された月(もしくは廃車した月)までの自動車税は課税保留となりますので、手元に車がない状態で税金を納める必要がなくなります。
3.運輸支局・軽検査協会で手続きをする
警察署(または交番)での被害届提出と都道府県税事務所へ出せたら、運輸支局または軽自動車検査協会にて一時抹消を行います。この手続きをすることで、車が使用不可で発見された際、警察から返却されても自動車税を払わなくて済むのです。一時抹消は、車の使用を一時中断する時の手続きですが、もしも警察から返却された自動車がボロボロで再使用が難しい時は、その後解体処理を行い永久抹消手続きをすることも可能です。また、抹消登録手続きをすると、自賠責保険の解約も申請できるようになります。
自動車盗にあってしまった車がローンを組んで購入し返済中だった場合、車の所有者はローン会社やディーラーになっていることが多いでしょう。車の所有者が本人ではない場合、前述のように抹消登録手続きをするには所有者の了承が必要となるため進めることができません。ローン会社にとっては盗難被害にあってしまったとしても所有権を手放す理由にはならないため、完済が条件となってくるでしょう。このようなローン中の車の盗難被害にあってしまった時は、車両盗難保険に事前に加入しておくことでローン会社への対応ができるようになります。
車が盗難にあった時に起こりうる被害
車を盗難されてしまったことがなく、実際どのような影響があるのか想像できない方も多いのではないでしょうか。もしも自動車の盗難被害にあってしまったら、どんな影響が起こり得るのか、こちらで解説します。
個人情報の流出
まず、車上ねらいや自動車盗の被害に遭ってしまうと、車内に置いていた書類、クレジットカード、スマートフォンなどの紛失によって個人情報が流出してしまう可能性があります。個人情報が悪用されてしまうと、他の犯罪へつながる可能性もあります。
日常生活への影響
毎日の通勤や通学に自動車を必要とする方、営業用の自動車などが自動車盗にあってしまうと、車がないことで生活に大きく影響を与えてしまうでしょう。
自動車税の納付
自動車盗難にあったものの適切な手続きをしていなかったので、自動車税の納付書が送られてきたという方も少なくありません。自動車税は4月1日時点で車の所有者になっている人に課税が行われますので、もしもそれまでに被害にあってしまった時は年度を超えてしまう前に、上記の盗難届の処理をしっかりしておきましょう。
万が一のために車両保険に加入しておく
愛車の盗難は車両保険の対象です。車両保険は強制的に加入が義務付けられている自賠責保険とは異なり、加入するかどうかや保険会社はどの会社を選ぶかなど車の使用者の自由となっています。そのため加入していない方もいらっしゃるとは思いますが、万が一車両盗難に遭ってしまった時のことを考えると車両保険は加入しておくことをおすすめします。
こちらでは、車両盗難が補償対象となっている車両保険に加入している場合の、保険会社への対応の流れを解説します。
1.保険会社に連絡
警察へ盗難届を出した後は、すぐ保険会社に連絡しましょう。保険の補償内容は会社ごとにプランがありますが、車内にあった物品も保険の対象となる可能性があります。盗難にあったことを保険会社に連絡すると、担当者が盗難にあった際の状況確認を行います。盗難にあった内容について、詳しく説明して損はありません。電話確認後は保険会社の調査員が来て、面談と現地調査が行われます。
2.保険金の案内と意思の確認
保険会社の調査や面談が完了すると、保険会社から補償内容による保険金の案内があります。その際、当該保険金を請求するかどうかの確認があります。保険を使用すると等級は下がり、今後の保険料は高くなりますので、保険金の金額や今後の保険料など確認して決めましょう。
3.保険金を受け取る
保険金の受け取りを確定すると、車両盗難は全損扱いとなりますので車両は手元にない状態ですが、盗難車の所有権を保険会社へ譲渡する手続きを行います。譲渡の手続きが完了すると、保険金が支払われます。
車両盗難にあわないための対策
車両盗難の犯人はどのようにして車を盗んでいくのでしょうか。犯行の手口がわかれば、対策のしようがあるかもしれません。こちらでは、犯行の手口とその対策について解説していきます。
窓ガラスを割る
車の窓を石などで割ってキーシリンダーを壊し、エンジンを直結させて動かすことで車を盗もうとします。車の窓ガラスは事故時に被害が拡大しないように、大きく飛び散ることがなく、破片が丸くなるように製造されています。車の窓ガラスを割って自動車盗をされないためにタイヤロックや、カーセキュリティ、追跡アプリ、車両追跡サービス、防犯カメラの設置をしておくと良いでしょう。
イモビライザーの解除
車のイモビライザーとは、事前に登録されたIDとキーを照合し、一致した場合のみエンジンがかけられる仕組みです。しかし、イモビカッターやリレーアタックなど、イモビライザーの対策を犯罪者側も考えてきています。イモビカッターガードやスマートキーを電波遮断ケースに入れて保管するなど、合わせての対策も必要になるでしょう。
鍵の抜き忘れ
コンビニや自動販売機でほんの数分買い物するだけだからと、車の鍵を付けたまま車を降りてしまうなんてことはありませんか?その隙に犯人は車を盗んでいきます。車から離れる時は、短時間であっても、車の鍵は必ずかけましょう。
車体まるごと盗む
エンジンをかけることなく、レッカーやクレーン車などで、駐車中の車をそのまま盗難するといった大胆な犯行も少なくありません。トラックが侵入できる幅があればできてしまう盗難ですので、万が一のために車両追跡サービスなどを車に設定しておくことをおすすめします。
事故を装う
グループによる犯行の手口の一つです。わざと事故を起こす人と、もめている間に乗り込み車両本体を盗難する人がペアになっています。この場合も車両追跡サービスを設定する、警察の方の協力の元、近くの防犯カメラから特定するべきでしょう。
ピッキング(強制開錠)
スマートキーの普及もありピッキングは少なくなってきていますが、ピッキングの犯行がゼロになることはありません。ピッキングの対策として、イモビライザーを導入したり目立つところに防犯カメラを設置し、犯行がしづらい状態を作りましょう。
セールス広告をフロントへ貼ってくる
フロントガラスに「車買取ます!」などのビラを挟んで数日様子を見ておいて、持ち主の不在を確認してから、計画的に犯行を行う手口もあります。紙ビラが目印になってしまっていることもありますので、見つけたらすぐに処分しましょう。ご自身が長期不在の場合は、全ての対策を行った上で、近所の方やご友人の方に様子をみてもらうよう頼んでおきましょう。
まとめ
愛車がもしも盗難されてしまったら、大きなショックを受けてしまうでしょう。こちらでは、万が一盗難にあってしまったときに対応しなくてはいけないことや、盗難されないための対策方法について解説しました。
それでも盗難にあった場合は、すぐに警察に届けを出し、一時抹消等の必要手続きを行いましょう。運よく返ってきた愛車が故障してしまっていたり、大きく損傷をして使用ことができない場合もあるでしょう。もしも盗難されてしまった車の廃車にお困りでしたら、廃車無料.comまでご相談ください。廃車専門の買取業者となっていますので、廃車にかかる費用はすべて無料で、お車次第で買取も可能です。