年末年始の期間中に里帰りをしたり、少し遠出をして旅行に行くなどの計画を立てている方も多いのではないでしょうか。その中には車を利用して、寒冷地へレジャーや観光に訪れる方もいらっしゃるかもしれません。
もしも年末年始に車の故障やパンクなどのトラブルを起こしてしまった時、いつも頼りにしているディーラーは冬季休業に入っている可能性があります。このような時は、どう対処すればいいのでしょうか。
年末年始に車の故障が起こったら
年末年始期間中、車での移動中や車で出発しようとした時に、車が故障していたりタイヤパンク等のトラブルが起こったら、どうすればいいのでしょうか。
年末年始の期間、ディーラーはお休み?

年末年始の時期となると、車を購入したディーラーは休業日に入っていることがほとんどです。令和6年度の営業日カレンダーでは、令和6年12月28日(土)または29日(日)から、令和7年1月3日(金)または5日(日)までを年末年始休暇(休業日)としていたところが多かったようです。
令和7年度の年末年始について、営業日カレンダーを既に公開している一部店舗を見てみると、月曜・火曜が元々の定休日に設定されている店舗が多いこともあり、12月28日(日)または29日(月)から令和8年1月5日(月)または6日(火)までを休業日としている店舗が多いようでした。
こちらはあくまで店舗営業日となっているため、サポートデスクなどの電話対応窓口に限っては営業時間外であっても対応していることがあります。念のため、営業日カレンダーやサポートデスク等の窓口連絡先は確認しておくと安心でしょう。
年末年始に車が故障した時、頼れる先は
年末年始のなかでも特に、大晦日や三箇日といったディーラーが確実に休業日としている日に、車が事故や故障になってしまった時は、どこに連絡すればいいのでしょうか。
連絡先として控えておくことをおすすめするのは、以下の3件です。
- 車両保険で加入している保険会社の連絡窓口
- ディーラーの営業時間外対応窓口(サポートデスク)
- ロードサービス(JAF等)
車両保険とは任意の車両保険のことです。自賠責保険の加入先に連絡をしても、車の故障等のトラブルに関連する保険ではないため対応をしてもらうことはできません。
ディーラーのサポートデスクや全国対応のロードサービスは、対応している電話窓口自体は本部にあることもあります。旅行先等で車の故障やトラブルの対応を依頼する時に場所を伝える必要があっても、ドライバーに土地勘がないことも多いでしょう。連絡時は、付近の電柱や自販機等の表示内容、地図アプリ等の現在地情報を確認して伝えられるように準備しておきましょう。
年末年始の運転で気をつけることは?

令和6年12月下旬から令和7年1月初旬の年末年始期間で、ロードサービスの出動理由として最も多かったものは、一般道路では「過放電バッテリー」、高速道路では「タイヤのパンク・バースト・空気圧不足」となっていました。
バッテリー上がりの時の対処法
出発前に最も多いトラブルは、車を運転しようとスタートスイッチを押してもエンジンがかからない、【バッテリー上がり】です。バッテリー上がりとは、車が過放電を起こして蓄電量が足りず、エンジンがかからないトラブルのことです。エンジンスターターや電装品に必要な電力をバッテリーは蓄電しているのですが、蓄電をするには車が走行してオルタネーターが発電する必要があるため、あまり車を使う機会が少ないと蓄電はなく放電だけが起こってしまいバッテリー上がりになる可能性が高くなります。
ただ、普段車に乗る機会が多い方でも、ヘッドライトの消し忘れ等で過放電を起こしバッテリー上がりになってしまうことがあります。特に近年の夏は気温が高いためバッテリー消費が激しくなって劣化が早まっている傾向にあります。その影響を受けて、冬にバッテリー上がりが起こりやすくなることもあるのです。
バッテリー上がりが起こった時の対処法としては、他の車に救援車対応を依頼し、ケーブルを繋いでエンジンをかける方法や、ジャンプスターターをお持ちであれば、スターターと車のバッテリーのケーブルを繋いでエンジンをかけるといった方法があります。
ただし、ハイブリッド車やPHEV・EV車等の場合は必要な最大電圧が異なるため、バッテリーの容量が大きくなっており、ガソリン車を救援しようとしたり救援されようとしたりすると、電圧が合わないことで車のさらなる故障を招く可能性があります。
救援車が見当たらない、保険会社に加入をしていないといった時は、バッテリー上がりに対応しているロードサービスを呼ぶことが最も早い解決方法といえるでしょう。ロードサービスに加盟していなくても、車両保険にロードサービスが付帯していることもありますので、加入内容を確認してみましょう。
例:JAF(日本自動車連盟)にバッテリー上がりの対応を依頼した場合の費用
| 一般道路の場合 | 8時~20時 | 20時~8時 |
|---|---|---|
| 一般会員 | 21,700円 | 25,630円 |
| JAF会員 | 無料 | 無料 |
高速道路でタイヤがパンクした時の対処法
年末年始の休暇中に遠出を予定していて、移動ルートに高速道路の利用を考えている方は多いでしょう。昨年度の年末年始に高速道路上で多くみられた車のトラブルは、タイヤのパンクやバースト、空気圧不足となっていました。タイヤがパンクしてしまうと、思ったような速度で走行ができないだけでなく、ハンドリングがしづらくなるため、高速道路上で起こると大変危険です。
タイヤのパンクや空気圧不足により正常通りの走行ができない時は、ハザードランプを点灯して速やかに道路端の路肩まで車を寄せて停車させましょう。車を停車させたら後続車にわかりやすいように発炎筒を着火して車の後ろへ置きます。発炎筒が点火している間に、停止表示器材(三角表示灯)を後方へ設置し、道路外の安全な所へ移動してください。安全なところへ移動できたら、携帯電話で【110番】または道路緊急ダイヤル【#9910】にかけるか、高速道路の道路外に設置されている非常電話の受話器を取って通報します。併せて、ロードサービスや保険会社の付帯にあるレッカーサービスに連絡をして、救援依頼を行いましょう。
年末年始の駐車中に気を付けたいトラブル

年末年始の休暇を利用して長期休暇を取得し、旅行や里帰りをする方もいるでしょう。お住いのところよりも気温が低く、積雪があるところへレジャーや観光を目的に行くこともあるかもしれません。寒冷地と言われる地域では、出発時や運転時だけでなく、駐車中にも車にトラブルが起こる可能性があります。
車体に雪が積もる
寒冷地の特に降雪量が多い地域では、一晩だけで一気に雪が降り、数センチ以上積雪があることも少なくありません。夕方到着して、翌日朝出発しようと車に近づくと、すでに数10センチ程度積雪していたということもあり得ます。出発までに雪かきや霜取りをする必要がありますが、雪かき用のスコップ等は借りることができない場合も多いので、車に載せておくようにしましょう。
また、積雪があった場所では雪解けがあるとぬかるみが発生し、タイヤが轍にはまってスタックすることがあります。スタックしている時はタイヤ周りの雪を踏み固めて脱出できるように、ハンドルをまっすぐに切って置き、前進と後退をゆっくり繰り返す必要があります。(振り子の原理)
ワイパーが凍ってガラスに張り付く
フロントガラスに雪が積っていると表面が解けて氷となり、ワイパーがガラス面に張り付いて凍ってしまうことがあります。ワイパーのガラスの接地面はゴム素材となっているため、凍って張り付くと劣化が早まります。また、無理に凍っているところを取ろうとすると割れてしまうことがあります。強風等の心配がなければ、駐車したタイミングでワイパーは立ち上げておきましょう。
軽油は-10℃以下になると凍る
車の燃料種類が軽油(ディーゼル)車の場合は、もう一つ注意点があります。それは、ガソリンと軽油で異なる点があり、軽油は外気温が低いと凍結する可能性があるということです。軽油は、外気温がマイナス10度以下になると凍ってしまう性質があります。ただ、寒冷地では寒冷地仕様の軽油が置かれていて、使用限界温度が異なるため凍りにくくなっています。軽油を燃料としているディーゼル車で寒冷地に行く時は、現地に到着してからすぐに現地用の燃料を給油できるように調整しておき、駐車中に燃料が凍ってしまわないように対策を取りましょう。

まとめ
こちらでは、年末年始にもし車の故障等のトラブルが起こった時、ディーラーが休みでも対処法に困らないように、対処を依頼できる連絡先や、対処方法をご紹介しました。ただ、せっかくの年末年始に車のトラブルが起こると、対処はできたとしても時間を割いてしまいます。まずは、事前にタイヤのメンテナンスや、バッテリー上がりが起こっていないかなど、長期休暇に入る前に点検・確認しておくことをおすすめします。

