中古車を購入するときや同じ車に長く乗り続けているとき、車の寿命はどのくらいあるのか気になるのではないでしょうか。車の寿命は、新車登録からの経過年数と総走行距離が一つの目安になるといわれています。さらに、日本の中古車市場においての車の寿命は年式10年以内、走行距離は10万キロ以下といわれています。
なぜ、中古車市場において、車の寿命の目安が10年と10万キロといわれているのでしょうか。こちらで詳しく解説します。
車の寿命は年数でわかる?
車の寿命の目安は、年数でいうと、10年もしくは13年といわれることが多くなっています。なぜ車の寿命の目安として、経過年数10年または13年といわれるのでしょうか。こちらで解説します。
車の寿命が10年といわれるのは再販のしやすさが理由
中古車市場では車の寿命の目安として新車登録から10年といわれています。
新車登録から10年以内が車の寿命の目安とされる主な理由は、中古車市場で再販しやすい車が年式10年以内の車といわれているからです。車の経過年数が新車登録から10年を超えてしまうと、中古車市場では10年落ち車といわれて価値が大きく下がります。
次の買い手がつきづらくなる10年落ち車は、在庫になるリスクや再販価格も高くできないことから、前提として買取価格も低くなります。そのため、新車購入から乗り続けていて次の車に買換える方にとっては、10年経過前に買換えるということが買取査定をより高くするために重要なのです。
ディーラーで新車に買換える場合、買取ではなく下取りに出すこともあります。下取りとは、今の車をディーラーに下取りに出すことで、その分を新車購入代金から値引きしてもらうことです。購入する店舗では下取りに出さず、中古車店に買取ってもらって買取代金を次の車の購入資金に充てることもできます。しかし、いざ下取りや買取査定に出したとしても10年を超えた車の場合査定に期待ができません。
そのため、中古車市場での車の寿命の目安として10年といわれているのです。中古車市場での価値に差が出る前に車を売却するのであれば、普通自家用車の場合は新車登録からの初めての継続車検は3年目、それからは2年毎に継続車検を受けますので、7年後に3回目の継続車検を受けた後、9年目に入る時までに、ディーラーや買取店で査定を受けて、次の車の検討を開始することをおすすめします。
乗り続けて廃車する前提の車の寿命は13年
前項では車の買換えを前提に、中古車市場での車の寿命の目安は10年とお伝えしました。
しかし買換えではなく廃車前提まで乗り続けてることを想定するなら、車の寿命は年数13年経過までというのも目安の一つです。廃車前提になると、なぜ新車登録から13年目が車の寿命の目安になるのでしょうか。
廃車前提として車に乗り続ける場合の寿命の目安が13年になる理由には、車の維持費が関係しています。車を持ち続けるには必ず税金を納めなくてはいけません。車の税金は年額で納める必要がありますが、地球温暖化防止と大気汚染防止の観点から一定年数が経過し、最新の車に比べて燃費性能が衰えた車には重課措置が課されて自動車税が高くなってしまいます。この重課措置の適用対象が、ガソリン車の場合は初回登録から13年以上経過した車なのです。重課措置により税率はおおむね15%高くなります。例えば1,000cc~1,500㏄が総排気量のガソリン車は元々年税が34,500円ですが、13年経過後は39,600円となり、年間で5,100円高くなってしまうのです。
自動車検査登録情報協会の【わが国の自動車保有動向】統計においても、令和3年3月末の車種別の平均使用年数は13. 87年となっていて、全国的に普通自家用車は13年経過から廃車する方が多いとわかっています。完全にスクラップにまでいたっているかの確認はとれていないものの、抹消登録手続きは完了した車の統計を取っていますので、車の使用自体は終えている時期の統計となります。
車の寿命は年数だけでは測れないこともある
車の寿命の目安とされている10年や13年という年数は、車自体の市場価値が下がるタイミングで車を手放す時期に合わせていたり、車を所有しつづけると維持費がかかるため、廃車することが多い時期に相当しているなど状況次第であてはまる目安となっていました。
ただし本来の車が乗れなくなる、不動車になるという意味での車の寿命というと、年数が10年や13年経過したからといって、突然故障が増えるということはありませんし、10年や13年経ったからと言って、動かなくなってしまうということもありません。
しかし、車の重要な部品や消耗品以外にあたる部品のほとんどは、10年経つと劣化があり、交換時期といわれるものが多くなっています。車の年式が10年を超えると、車検や定期点検では部品交換をするように勧められて、高額な費用が掛かるようになるのです。今まで同じ車に乗り続けているという方は、一度メンテナンスに出してみて、買い換えるタイミングかどうか、確認してみるのもよいでしょう。
車の寿命の目安は走行距離でわかる?
車の寿命は、走行距離も一つの目安になるといわれています。
走行距離で考える車の寿命の目安は、総走行距離10万キロです。なぜ走行距離10万キロが車の寿命の目安となるのか、解説します。
走行距離10万キロを超えると市場価値が下がる
走行距離10万キロが寿命の目安と言われる理由の一つ目は、総走行距離が10万キロを超えると、車の中古車市場価値が大きく下がってしまうことが考えられます。車は多走行になるほど、次の買い手がつきづらく中古車販売店では再販が難しくなってしまいます。そのため買取相場も下がります。不要になった車を手放す時、買取や下取りを利用してできるだけ高く車を売るには、10万キロの走行距離を超える前に売却できるように計画したほうが良いでしょう。
新車購入時の保証期間は走行距離10万キロ
走行距離10万キロが車の寿命の目安となる理由の二つ目は、国内の自動車メーカーによる新車特別保証の対象となる走行距離も、総走行距離10万キロに設定されているからです。
国内の自動車メーカーのほとんどが、新車特別保証の対象となる走行距離を新車登録から走行距離10万キロ未満までと設定しています。
例えばトヨタ自動車の新車保証は、最長5年間または10万キロ走行時点のいずれかの早い方までをメーカー特別保証の期間と設定しています。この期間内の保証は、エンジンや乗員保護装置など走行や安全に関わる重要な部品に対してで、保証期間内であれば無料での修理や点検を依頼することができます。重要部品の耐用性能から、保証期間の総走行距離は設定されていますので、走行距離10万キロが寿命の目安のひとつといえるでしょう。
車の寿命を延ばす方法は?
車の寿命の目安となる年数や、総走行距離について解説しました。しかし、車の耐用年数を寿命として考えると、車種ごとに使用されている部品や搭載されているシステムが異なるため、一概に何年・何万キロが目安になるとお答えすることは難しくなっています。また、車は運転する人の運転の仕方や、普段のメンテナンス状況によって、耐用年数自体が変わってきます。
こちらでは、部品の耐用性能を活かして車の寿命を延ばすための方法をご紹介します。
車の寿命を延ばすにはメンテナンスが最重要
車の寿命を延ばし長く同じ車に乗り続けるために、最も重要なポイントは定期的なメンテナンスです。車には重要部品だけでなく、沢山の消耗部品が使用されています。例えば、ガソリン車には内燃機関があり冷却装置が必要不可欠となっています。水冷エンジンには、冷却水が欠かせません。冷却水の残量点検をすることで、焼き付きなどのトラブルを未然に防ぐことに繋がります。また、部品が作動するときに摩擦が発生する部分では、オイルが使用されています。ブレーキオイルやエンジンオイルも、オイル汚れやオイル漏れがないか点検をすることで、関連する部品の寿命を長くすることに繋がっています。
車の寿命を延ばせば20年乗り続けることも可能?
同じ車に20年以上乗り続けているという方も、沢山いらっしゃいます。このように長く乗り続けるためには、定期的なお手入れや点検はもちろんですが、車に正しく丁寧に乗るということも大切なポイントです。
例えば加速をし過ぎると、減速のためブレーキが必要になります。加速しなければ不要だったブレーキが多用されると、加減速の繰り返しでブレーキ周りに負担がかかります。さらに、ブレーキを多用するとブレーキパッドも摩擦で消耗しますので、交換時期が早まるでしょう。運転方法だけでなく、車をある程度の距離や時間、定期的に走らせるということも車の寿命を長くするために有効です。車は長期間置いたままにしたり、短い距離ばかり繰り返し走ると、エンジンに負担がかかるため、故障してしまったり部品劣化を早めてしまいます。
まとめ
車の寿命について、詳しく解説しました。
車の買い替えや買取業者への売却を前提としている場合、車の寿命は10年となります。また、維持費などの個人負担から車を手放すのであれば、車の寿命は維持費が高額になってくる13年です。車の売却を考えていたり、車検時期に部品交換費用をかけないこと前提に車を手放すなら、走行距離10万キロが車の寿命の目安になります。
ただし、車自体の耐用年数を寿命とすると、使い方や普段のお手入れ方法によって目安以上に長く乗り続けることができる可能性はあります。
車の寿命が突然尽きる、ということはほぼありませんが、維持費が高くなってきたり、車検や部品交換が増えたことでメンテナンスコストが高くなると、手放すタイミングと考える方が多いでしょう。寿命のぎりぎりまで使用した車の売却先をお探しの方は、どんな車でも買取ができる廃車無料.comまで、お気軽にお問い合わせください。