2024年から2025年にかけての今期冬予報では、昨年に比べて寒気の影響を受けやすいことから、西日本・東日本では平年よりも気温が低くなる見込みとなっています。特に今冬はラニーニャ現象の発生確率が高くなる見通しのため、過去のラニーニャ現象が発生した冬季を振り返り、通常よりも寒さ厳しい冬の訪れになることが予想されています。
冬季は日照時間が短くなり、気温自体が低くなるため、路面凍結や降雪など道路環境に大きな影響を与える可能性が高くなる時期です。このような冬季の交通状況に合わせて、運転に欠かせないアイテムの一つが冬用タイヤになります。こちらでは、冬用タイヤと言われるスノータイヤやスタッドレスタイヤについて詳しく解説します。また、冬用タイヤへの付け替え方法や付け替える時期の目安についてもご紹介します。
冬道に欠かせないスタッドレスタイヤとは
日本は元々冬季になると積雪がある地域が多いでも特に日本海側気候となる地域では積雪が多くなるため、豪雪地帯や特別豪雪地帯に指定されています。積雪の他にも、早朝に外気温が低くなることから霜が降り路面凍結が起こることも多く、このような冬道の運転には冬用のスノータイヤやスタッドレスタイヤなどのタイヤ対策が欠かせません。
普段の居住地域では特に路面状況を気にする必要はないという方も、冬季に遠出した外出先の道路環境に合わせて前もって準備が必要となることもあります。もしも外出先で冬道に対する対策を行っていない場合、現地で慌ててタイヤ交換をロードサービスに依頼することになり、長い時間足止めされてしまうこともあるでしょう。
冬用タイヤの2つの種類の違い
冬用タイヤには、スタッドレスタイヤとスノータイヤがあります。まずは二つの冬用タイヤの違いから解説します。
もともと冬道を走行するための冬用タイヤといえば、タイヤに鋲のついたスパイクタイヤが主流となっていました。ところが、タイヤに鋲がついたスパイクタイヤは走行中の道路への影響が大きく、路面を削ってしまうため粉じんが発生し環境にも影響があるとされたことから、日本国内ではほとんど使用がされなくなりました。このスパイクタイヤが使用されていた当時、鋲がついていない冬用タイヤとして同時期に販売されていたタイヤがスノータイヤです。
スノータイヤはスタッドが打ち込まれていないタイヤですが、ノーマルタイヤとは用いられているゴム組成物が異なる製造となっており、外気温が低く路面温度が低くなる冬季の低温環境であっても、ゴムのしなやかさを保ちトラクションがかかりやすくなっていました。
タイヤの選び方
スパイクタイヤとスノータイヤのどちらを選ぶかは、その車が走行する冬の道路環境によってえらばれていました。
その後、スパイクタイヤが与える道路や環境への影響から法規制が行われ使用出来なくなると、スノータイヤの材質と鋲(スタッド)に代わるトレッド面を持つ設計の冬用タイヤが開発され、登場します。それがスタッドレスタイヤです。
スタッドレスタイヤの語源は、スタッド(鋲)がレス(ない)タイヤという意味から付けられていて、現在は様々なスタッドレスタイヤがタイヤ製造企業より販売されています。
スタッドレスタイヤに付け替えるタイミングはいつ?
降雪に備えて、路面凍結に備えてとスタッドレスタイヤに付け替えが必要とは思うものの、いざ付け替えるとなるとどのタイミングで行うべきなのかと思われるかもしれません。
冬になると積雪や降雪がある地域では、平年の初雪日をチェックしておくと良いでしょう。地方毎の初雪観測がされた日は気象庁で資料として公開されています。ただし、地域によっては路面凍結は起こるものの降雪自体は少ないという地域も多くなっています。このような地域では、路面凍結の要因になる初霜の観測日を確認することをおすすめします。初霜が降りると早朝の気温が下がっており、温度差から路面凍結しやすくなります。初霜や初雪日の平年観測日から、およそ1週間前までにはタイヤ交換を行っておくことをおすすめします。
スタッドレスタイヤの付け替え方法
スタッドレスタイヤに付け替える方法は、タイヤ専門店やカーメンテナンスショップ、ガソリンスタンド等で依頼する方法と、ドライバー自身で行うセルフ交換の方法があります。
スタッドレスタイヤへの交換を自分で行う場合
夏タイヤからスタッドレスタイヤへの交換は、ドライバー自身でセルフ交換をすることも可能です。ドライバーがセルフでタイヤ交換するために準備するものは、車止め・軍手・ジャッキ・レンチ(タイヤに合わせたトルクレンチ)です。
手順としてはまずタイヤをジャッキアップし、浮かせた状態で作業を行います。この時に、輪止めをして車が動かないように、必ず平たいところで作業を行う必要があります。セルフ交換は工賃分の費用を抑えることが出来ますが、車体だけでも1トンを超える重さがあり、その車体をジャッキアップし作業を行うというリスクが伴います。また、タイヤごとにホイールナットにあわせてトルクレンチで締めるといった作業があり、仮止めと本締めをしなくてはいけません。トルクレンチを所有していないと本締めが出来ていない状態になり、手で締めた状態のタイヤでの走行となるため危険です。本締めができる業者へ、早めに依頼しましょう。
手で締めた状態で継続して走行を続けると、走行中にナットが緩むなどの可能性があり、タイヤが外れて自身だけでなく後続車も巻き込んで大きな事故を起こしてしまうこともあります。作業に不安があるといった場合は、専門の業者へ依頼することをおすすめします。
スタッドレスタイヤへの交換を依頼する場合
では、セルフでのタイヤ交換でなく大手カー用品店でスタッドレスタイヤの付け替えを依頼する場合、工賃や工程にかかる時間はどのくらいなのでしょうか。
全国展開をしている大手カー用品店でのピットサービスを確認すると、タイヤ一本の付け替え工賃は約1,000円~となっており、一本あたりの工程時間目安は15分となっていました。ほかにも、いくつかの業者でのタイヤ付け替え価格の平均をみてみると、夏タイヤからスタッドレスタイヤへの交換を依頼するには、タイヤ前後4本交換で4,000円~、さらにかかる時間の目安はおよそ1時間となっていました。
この依頼する場合は、持ち込みタイヤへの付け替えを依頼する場合と、そのカー用品店で購入したタイヤへの交換を依頼する場合とで費用が異なります。基本的にはそのお店で購入すると、割引になることがほとんどのようです。予め費用を知りたいという方は、タイヤの持ち込みをするのか購入かで費用見積もりが変わりますので聞いておく必要があります。
まとめ
こちらでは、スタッドレスタイヤについて詳しく解説しました。スパイクタイヤとスノータイヤから進化したスタッドレスタイヤは、氷上ブレーキの効果も高く安全性がさらに強化されています。スタッドレスタイヤは種類やメーカーによって価格も大きく差があるようです。
冬季直前はタイヤの付け替えを依頼する方も多いため、混みあうことが予想されます。もしも来週から長距離移動をする予定があるという方や、普段は走らない冬の道路を走行する予定があるという方は、予約が可能なカーメンテナンスショップもありますので、スケジュールに余裕をもって調整しておくと良いでしょう。