2024年1月4日から普通自動車の車検証に続き、軽自動車の車検証も電子化されました。そのため、同日以降に新規登録または継続車検を受けて、交付された軽自動車の車検証は、すべて電子車検証となっています。
こちらでは、軽自動車の電子車検証について、紙タイプの車検証から変わって電子化になったことで困ること、電子車検証紛失時の再交付方法など詳しく解説します。
軽自動車の車検証電子化で何がどう変わったのか
2024年1月4日から軽自動車の車検証が電子化され、新規登録時もしくは継続車検の車検証交付時に発行される車検証は、これまでの紙タイプの車検証ではなくICチップの取り付けられた電子車検証へと変更されました。
こちらでは、軽自動車の車検証が電子車検証に変更されたことによって、どのような変更点があったのか、詳しく解説します。
軽自動車の紙タイプ車検証と電子車検証との変更点
これまでの紙タイプの車検証と電子車検証では、まずサイズから異なります。紙タイプの軽自動車の車検証から、電子車検証になったことで、券面のサイズ自体は4分の1程度の大きさへになりました。下記の表で、大きく変更された点を比べてみます
紙の車検証タイプ (2023年12月末まで) | 電子車検証タイプ (2024年1月4日から) | |
---|---|---|
用紙サイズ | A4 | 約A6 |
ICチップ | なし | あり |
記載内容 | 車両番号/初度検査年月 交付年月日 自動車の種別/用途 自家用・事業用の別 型式指定番号/類別区分番号 車名/車体の形状 車台番号 燃料の種類/総排気量又は定格出力 型式/原動機の型式/前軸重/後軸重 乗車定員/最大積載量 車両重量/車両総重量 長さ/幅/高さ 使用者の氏名又は名称/住所 所有者の氏名又は名称/住所 有効期間の満了する日 | 車両番号/初度検査年月 自動車の種別/用途 自家用・事業用の別 型式指定番号/類別区分番号 車名/車体の形状 車台番号 燃料の種類/総排気量又は定格出力 型式/原動機の型式/前軸重/後軸重 乗車定員/最大積載量 車両重量/車両総重量 長さ/幅/高さ 使用者の氏名又は名称 セキュリティコード(枠外右下) |
上記表において紙タイプの車検証の記載内容欄で赤字にしている部分は、紙タイプ車検証のみ記載がある内容です。このように、紙タイプの車検証であれば紙面上で確認できていたことも、電子車検証では記載がないため、券面ですぐに確認ができなくなりました。今後、電子車検証で上記の赤字部分を確認する必要がある時は、ICチップに格納されているデータをPCまたはスマートフォンで読み込み画面内で確認するか、印刷してすぐに確認ができるよう保管しておく必要があります。
電子車検証の記載内容欄で緑字にしている部分は、電子車検証から追加された内容です。電子車検証の内容を確認する際、車検証閲覧アプリのICタグ読み取りをすると4桁のセキュリティコードの入力が必須となっており、券面枠外のQRコードの右下に追加で数字が記載されています。
軽自動車の電子車検証が手元にくるのはいつから?
軽自動車の電子車検証の交付は、2024年1月4日からスタートしています。1月4日以降に新車購入された場合は、新車登録時から電子車検証が交付されますので、車の所有者の手元には電子車検証がある状態となります。
ただし、現在車を所有されている方の中には、既存の紙タイプの軽自動車の車検証を持っているという方も多くいらっしゃるでしょう。現在車を持っているが、2024年1月から2025年7月まで継続車検を受けるタイミングでは無かった方は、次の継続車検を受けて電子車検証が交付された時に初めて、電子車検証に変わることになります。
軽自動車の電子車検証で困ったこと

軽自動車の車検証電子化がスタートし、電子車検証に変わったことで起こる困ったことや、トラブルに成りかねないたこと、注意しておきたいポイントなどをこちらでご紹介します。
軽自動車の電子車検証は有効な車検期間がわからない
軽自動車の電子車検証に記載される情報は、先述の表の通り、紙タイプの時よりも券面欄が小さくなったことで、限られた内容のみになっています。所有者や使用者の転居による住所変更があったり、車の譲渡等で所有者が変更になっても、券面上の変更点がないため、オンラインからの申請で変更が可能になりました。
しかし、券面欄から車検の有効期間の確認ができなくなってしまったため、2年または3年ごとの車検時期を忘れないように、ステッカーや検査記録事項ですぐに確認できるようにしておくことをおすすめします。
車検証情報を確認するための車検証閲覧アプリが難しい
電子車検証に変わったことで、車検証の券面上に記載がなくなった「使用者住所や所有者の氏名・住所」、「車検の有効期間」などの確認には、車検証閲覧アプリの利用が必須となりました。車検証閲覧アプリはPCまたはスマートフォンを使用して利用が可能となっていますが、どちらの使用時にも電子車検証のICチップ部分の読み取りが必要で、特にスマートフォン使用時は読み取り部分がわかりづらくて時間がかかったという方も多かったようです(アプリのレビューより)。
PCやスマートフォンを使用し閲覧アプリの利用は難しいというユーザーへ、軽自動車の車検証電子化から当面の間(約3年間)は、紙面タイプの自動車検査証記録事項が車検証と同時に交付されます。
自動車検査証記録事項は、それまでの紙タイプ車検証と同様の内容になっており、本来は電子車検証のICチップ内にデータとして格納される内容になりますが、オフラインで紙面で確認・保管ができるようになっています。ただし、車検証の代わりにはならず、あくまで確認用ではあります。
軽自動車の電子車検証の保管場所に悩む
軽自動車の電子車検証は、券面の右側部分にICチップが内蔵されています。コピー機で車検証の写しを残しておきたい方も多いと思いますが、プリンタについている原稿送り機能を使用すると、フィーダーの形状によってはICタグ部分が破損してしまうかもしれません。コピー機利用の際は、スキャン台に置いてコピーするようにしましょう。
また、ICチップ部分は高熱や水没に弱くなっています。夏の気温が高い時期に外に車を置いておくと、ダッシュボードの上は70度くらいに温度になってしまいますので、ダッシュボード中や、運転席や助手席後ろのポケット部分にしまっておくなど気を付けるようにしましょう。ICチップ部分は5分程度なら浸水に耐えるように耐水性がありますが、完全防水ではありません。水没したと気づいたら、すぐに拾い上げましょう。濡れてしまい、乾かそうと思って電子レンジ等を使用しないでください。発火の恐れがあり危険です。
軽自動車電子車検証を紛失・汚損した時の再交付はできる?
紙タイプの車検証から電子車検証へと変わりましたが、以前のように車検証の再交付は依頼可能なのでしょうか。
電子車検証に変わっても再交付はOK
軽自動車の電子車検証を誤って紛失してしまったり、事故や災害によって破損や汚損してしまった時は、再交付申請をすることができます。再交付申請は、軽自動車を使用している本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会事務所・支所・分室の窓口で行います。
事務所等の業務時間内でのみ再交付申請を受け付けています。受付時間は、各事業所ごとに決められていますので、来所前に軽自動車検査協会のウェブサイトで確認をしてから行くようにしましょう。申請書の記入が必要ですので、時間に余裕をもっておく必要があります。
軽自動車の電子車検証の再交付申請方法
軽自動車の電子車検証について、紛失や破損時の再交付方法をご紹介します。
- 自動車検査証(車検証)※破損等であれば返納する
- 自動車検査証再交付申請書(軽第3号様式)※事務所での配布
- 申請依頼書※代理申請時のみ
再交付申請に必要な書類は、ほぼ事業所での配布のみで揃えることができますが、申請書には【車検証の車台番号の下7桁、車両番号】【使用者の氏名・名称と住所】【再交付を受ける理由】の記入が必須です。車検証紛失により、車台番号等がすぐにわからない場合は、刻印や保険証などをみて予め確認しなくてはいけません。
必要な書類を揃えて記入欄を書き終わったら、自動車検査証の再交付申請手数料【350円】を窓口で支払います。各手数料の支払いは現金のみです。代理人による再交付申請の場合は、再交付申請書の申請代理人欄に代理申請者の氏名・住所を記入し、併せて申請依頼書の用意が必要です。
※令和3年1月4日から、申請書に押印の必要はなくなりました。
まとめ

コチラの記事では、軽自動車の車検証電子化でどう変わったのかという変更点や、電子車検証にいつから変わるのか解説しました。電子化によって紙タイプの車検証と比べると二回り程度小さいサイズになり、電子データとして格納されることで券面表記されない記載内容があるという点は、大きな変更点となるでしょう。券面ではすぐに確認ができなくなってしまう部分は、車の手続き上では必要になる部分も多くありますので、アプリで閲覧ができるように事前に試しておく、もしくは交付時に同時に発行される自動車検査証記録事項をしっかり保管しておくことをおすすめします。