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廃車の手続き・書類

自賠責保険証明書のデータ交付が開始!自賠責の備付義務違反はどうなる?

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2024年11月の法令改正により、自賠責保険証明書のデータ交付が開始されました

これまでの紙面タイプの自賠責保険証の場合、紛失してしまうと対処方法がわからず困った経験がある方もいらっしゃると思います。自賠責保険は強制加入保険で、車一台ごとに加入義務があります。加入している自動車の運行中は車内に備え付ることが法令で決められていて、紛失してしまい備え付けていない場合は自賠責保険無携行の運転として、備付義務違反の罰則が科せられます。

自賠責保険証のデータ交付が開始されたことで紙面タイプの保険証を持っていない方が増えることが予測されますが、備付義務違反の法令はどうなるのでしょうか。

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自賠責保険証明書のデータ交付開始

2024年11月の法令改正に伴い、自賠責保険証のデータ交付が開始されました。こちらでは、自賠責保険証のデータ交付が始まり法令になにか変化があるのか、自賠責保険証のデータダウンロードの方法など解説します。

自賠責証明書のデータが提示できれば違反にならない

自賠責保険証はそれまで紙の証明書のみとなっていましたが、法令改正によって保険会社等ではデータ交付を開始しました。今後は紙タイプの保険証がなくても、ダウンロードした自賠責保険証明書のデータをスマホ等の端末の画面に表示して提示ができれば問題ありません。自賠責保険の提示が必要なとき、すぐに端末へ表示できれば、備付義務違反として取り締まりにあうことはないのです

自賠責保険証のPDFデータ証明書のダウンロード方法

自賠責保険証のPDFデータを端末に保存する方法をご紹介します。

まず、自賠責保険に加入すると、紙面タイプの自賠責保険証明書が保険会社により発行されます。紙面タイプの証明書右下に印刷されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、パスコードの入力画面が表示されます。パスコードはQRコード横に印字されている数字です。読取後に表示された画面でパスコードを正しく入力すると、PDFデータのダウンロードができるようになります。

紙面タイプの証明書の発行を断り、PDFの自賠責保険証明書のみを希望することも可能です。その場合の保険契約者は、自賠責保険加入時にメールアドレスを登録します。そのメールアドレス宛に証明書ダウンロードのURLと、ダウンロードURLで必要となるワンタイムパスワードが送信されます。ダウンロードURLにアクセスした際は、そのパスワードを入力して自賠責証明書を端末にダウンロードします。紙面はなく、ダウンロードされたデータのみ保険証となります。

自賠責保険証明書とは

今回の法令改正により交付方法が変更となった自賠責保険証について解説します。車は車検を通さなければ公道を運行することが出来ません。その車検を通すためには自賠責保険の加入が絶対となっています。自賠責保険は強制加入保険で、新車購入の際の保険料は、前もって二年分を支払う必要があります。

強制加入が必要な自賠責保険は一体何のためにあり、なぜ必要なのか解説します。

自賠責保険の正式名称

自賠責保険の正式名称は「自動車損害賠償責任保険」です。一般的に自賠責保険と呼ばれています。

自賠責保険の目的

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法が施行された1995年(昭和30年)に、「交通事故が発生した場合の被害者の補償」を目的として開始された対人保険制度です。あらかじめ全ての自動車保有者が自賠責保険に加入することで、交通事故の被害者は「被害者請求制度」を使い、加害者を介さずに「最低限の損害補償額」を直接受け取ることができるというものです。
※自賠責保険の補償金の支払い額は、国土交通大臣および金融庁長官が定めた支払基準に基づいて決められています。

自動車損害賠償保障法が施行されたこの時から、すべての車の所有者は車一台ごとに自賠責保険の加入が義務付けられています。そのため、強制保険ともしばしば呼ばれます。加入していないと車検も通らず、自賠責保険に未加入の車は無保険車となるため、一般道を走行すると交通違反で取り締まり対象となります。

自賠責保険の補償内容

自賠責保険は交通事故における被害者の救済を目的としています。ただし、自賠責保険の補償範囲は対人のみです。建物や相手の車、自分の車や電車などの交通機関に損害を与えてしまっても保険金は一切支払われません。対人への補償での最高額は4000万円(要介護の重度後遺障害時)、死亡時は3000万円です。

損害の範囲補償額(1名あたり限度額)
傷害(ケガ)による損害治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料120万円まで
死亡による損害逸失利益、葬儀費、慰謝料3,000万円まで
死亡するまでの傷害による損害傷害による損害の場合と同じ120万円まで
後遺障害(常時介護・第1級)逸失利益、治療費75万円~4,000万円まで
後遺障害(随時介護・第2級)逸失利益、治療費3,000万円まで
後遺障害(上記以外・第1級~14級)逸失利益、治療費75万円~4,000万円まで

自賠責保険証明書はどんな書類?

自賠責保険証のデータ交付が開始となりましたが、旧来の自賠責保険証明書の紙タイプはどのような書類になっているか覚えていらっしゃるでしょうか。

データ交付開始といっても、これまでの車の購入時や車検時に発行されたのは紙面タイプの自賠責保険証明書です。今月廃車予定がある、今から車検を通すといった時に探さなくていけない、自賠責保険証は紙面タイプの方がほとんどでしょう。

自賠責保険証明書(紙面)の見た目や大きさ

自賠責保険証明書は、薄い青色または薄い紫色の紙面になっています。紙面の大きさはA5サイズが多くなっています。一般的な契約書等に使われているA4書式の半分の大きさです。

自賠責保険証明書の置き場所といえば

自賠責保険証明書は車の新車登録や継続車検時に必要になるため、車検証入れのなかで一緒に保管されていることが多くなっています。車検証入れは、助手席前のダッシュボードや運転席シート下、コンソールボックス、座席シートの後ろポケット等に保管されることが多いようです。紛失を疑って自賠責保険の保険会社へ再発行依頼する前に、一度ダッシュボードの中などを確認されてみることをオススメします。

ただ、車の修理に出すタイミングで抜き出していたりすると、紛失してしまうこともあるかもしれません。

自賠責保険証明書がないまま運転するとどうなる?

車検は切れていなくても自賠責保険証明書を車に携行せずに運転した場合は、備付義務違反となり30万円以下の罰金となります。また、自賠責保険が切れた状態で一般道を走行すると、無保険運転として1年以下の懲役または50万円以下の罰金となるだけでなく、違反点数6点が付加されます。

自賠責保険証を紛失した時の再発行手順

自賠責保険証明書を再発行するためには、自賠責保険会社に連絡をして再発行の手続きを行わなければなりません。手順は下記の通りです。

  1. 自賠責保険会社に連絡をして再発行の申請書を送付してもらう
  2. 自賠責保険会社へ再発行の申請を行う
  3. 基本的には、2段階の手続きを行うことで自賠責保険証明書の再発行を受けることができます。

まずは、加入している自賠責保険会社に問合せをしましょう。

自賠責保険証明書の再発行を依頼する場所

自賠責保険証の再発行は、加入している保険会社窓口や代理店で手続きをすることができます。 最寄りの保険会社窓口や代理店まで行くか、電話をすることで再発行の処理をしてもらえます。 中には郵送で対応してくれる保険会社もございますので、必要な時は電話で確認してみましょう。保険会社窓口や代理店によって、土日祝日がお休みになっていることもあります。

自賠責保険証明書の再発行に必要な書類

自賠責保険証明書の再発行に必要な書類をご紹介します。一般的には、下記の書類が必要となりますが、それぞれの保険会社によって異なる可能性がありますので、加入している自賠責保険会社に確認をすることをおすすめします。

  • 自動車損害賠償責任保険証明書の再交付申請書
  • 印鑑
  • 身分証明書

身分証明書は運転免許証やパスポートなどのコピーの提出で可能です。自動車損害賠償責任保険証明書再交付申請書は、保険会社窓口や代理店でもらうことができます。保険会社が分かっていれば直接窓口まで行って受け取ることもできますし、電話で郵送してもらうこともできます。 どのような対応が可能なのか直接保険会社へ確認してみましょう。

自賠責保険証明書の再発行にかかる期間

再発行にかかる期間は、上記の書類を提出してからおおむね一週間程度です。

自賠責保険証明書の再発行費用は無料

自賠責保険会社にもよりますが、一般的には再交付手数料は無料です。一度、加入されている保険会社に確認されることをおすすめします。

もし自賠責保険会社がどこか分からなかったら

自賠責保険証明書を再発行するということは証明書自体紛失しているということですので、自賠責保険証明書などのコピーがなければ、どこの保険会社に加入しているかが分からないときがあるかもしれません。

再発行には、自賠責保険会社への連絡と再発行申請書の提出が必要ですので、万が一加入している保険会社が分からなけばどうすることもできません。それでは、加入している保険会社が分からない場合、どの様にして探すことができるのでしょうか?確認する方法は下記の通りとなります。

  • 中古車販売店から車を購入している場合は、販売店(代理店)に確認する
  • 手当たり次第に自賠責保険会社に電話をして確認する

一番良い方法は、自動車を購入した販売店(新車であればディーラー)へ電話をして自賠責保険の再発行を依頼するのが一番よいです。車の購入時ではなく車検を受けたときに自賠責保険に加入している場合は、車検の取得を代行した業者へ依頼するようにしましょう。もし、それでも分からない場合、最悪のケースとして手当たり次第に保険会社に電話をして加入確認をしなければなりません。

まとめ

こちらでは法令改正により自賠責保険証明書のデータ交付が開始されることについて解説しました。ただデータ交付が開始されたとしても、現時点で流通しているほとんどの自賠責保険証は紙面タイプとなりますので、紛失されている場合は早めの再発行が必要です。

自賠責保険とは自動車損害賠償保障法によって「すべての車の所有者に加入が義務付けられている損害保険」です。加入必須の保険で保険料を負担に感じる方もいるかもしれませんが、事故をしてしまった時など、いざという時のために必要です。もしも車検期間が1カ月以上残っているタイミングで廃車する場合は、廃車手続き完了後に自賠責保険の解約と還付申請をすることで、未使用の自賠責保険料が手元に戻ります。解約申請時に自賠責保険証を手元に準備しておくと解約申請がスムーズにすすめられますので、廃車前に自賠責保険証があるかどうか確認しておくと安心でしょう。